今回はMark Minervini氏の成長株投資法シリーズの第6回目となります。
前回までの記事を見逃した方は是非下記のリンクからご一読ください。
Minervini氏の投資手法の詳細については是非実際に書籍を購入してしっかりと咀嚼していただければと思います。
売り場
今回の記事では、Minervini氏の成長株投資手法「SEPAトレード法」の5大要素のうち、売り場について紹介します。
Minervini氏は、一貫して利益を上げ続けるためには、利益と元本を守る必要があると説いています。
損失が大きくなればなるほど、取り戻すことが難しくなるので、口座資金を危険に晒すほどの金額を決して失ってはいけません。
ポイントをまとめると、損切りをしっかりと行い資産を守ることが何よりも重要であり、損失は平均して6~7%に抑えるべきであり、最悪でも10%を決して超えないようにしましょう!
損切り
売り場に関して、Minervini氏は何よりも損切りをしっかりと設定し資産を守ることの重要性を説いています。
素人の方がたまたま運が良く大きな利益を得ることも多々ありますが、それを継続することは難しく、最終的に資産を大幅に減らしてしまったり、最悪借金を抱えてしまうケースもあります。
私が興味深いと思ったことは、損失を取り戻すには、より多くの利益が必要ということです。
例えば、株価が$100から$50まで50%下げたら、損益ゼロに戻すためには、株価が100%上昇する必要があり、50%の損失を取り戻すためには2倍の上昇率が必要となります。
従って、損失は決して膨らませずに、小さく抑えておくことが重要となります。
Minervini氏は、具体的には損失が決して10%を超えてはならないとし、平均損失はそれよりもずっと低く、6~7%くらいに抑えるべきだと説明しています。
株価がどこまで上昇するかはコントロールできませんが、損失は自分でコントロールすることが可能です。
勝つ馬は決してゲートに戻らないという格言にあるように、損失を出し始めたら、購入するポイントが誤っていたとしっかり認識するようにしましょう。
利食い
株価が計画したとおりに上昇したら、損切りのストップを損益分岐点まで引き上げるか、トレイリングストップを使って、大半の利益を確保すべきであるとMinervini氏は語っています。
また、Minervini氏は、平均利益を少なくとも平均損失の2倍以上に維持するよう勧めています。
こうすることによって、3分の1の勝率でも困った事態には陥らないとしています。
利食いの説明で面白いと思ったことは、ある銘柄を購入し保有する際には、保有株と結婚するのではなく、短期的なデートをするように説明していたことです。
トレンドの記事でも説明したとおり、すべての株式には4つのトレンドステージがあり、驚異的な上昇を続けていた銘柄でもいつかは下落局面を迎えることになります。
結婚は一度したら離婚しないことが望ましいですが、投資に関しては短期的なデート感覚でより良い銘柄を見つけたら、そちらに資金を移動することが大事だとしています。
複利の重要性
Minervini氏の説明の中で特に興味を持ったことは、大きなリターン得るためには、必ずしも驚異的に上昇する銘柄に投資する必要がないとのことです。
もちろん、そのような銘柄に投資することの方が望ましいですが、比較的小さな利益を着実に出していき、資金を雪だるま式に複利で増やすことでも並外れたパフォーマンスを達成することができます。
例えば、初期の投資資金が$10,000あり、1年間で利益率150%という驚異的なパフォーマンスをみせる銘柄に運良く、または実力で投資できたとした場合、投資資金は$25,000 (= $10,000 x (150%+100%))に増えます。
一方で、一回の利益率は10%しかないが、そのような銘柄を1ヶ月毎に発見し、成績を残せたとした場合、複利のマジックで12ヶ月後の資産はなんと$31,384 (= $10,000 x (10%+100%)*12) となり、先述の1年間で利益率150%の銘柄を保有できた場合よりも良い成績を残すことができます。
コメント