投資信託とETFの違いとおすすめの投資方法

お金

2021.05.25

最近、Financial Independence, Retire Early (FIRE)ムーブメントが加熱してきています。

FIREを達成するためには、主に低コストで安定して収益を出すインデックス型のファンドを対象に投資額を積み立てることが推奨されていますが、その際に投資信託とETFという2つの投資先があり混乱してしまうかもしれません。

今回は投資信託とETFについての違いなどについて紹介させていただきます。

投資信託とETFの共通点と相違点

下記のテーブルに投資信託とETFの違いをまとめました。

	投資信託	ETF
上場・非上場	非上場	上場
運用方法	アクティブ運用・パッシブ（インデックス）運用	パッシブ（インデックス）運用
取引所	ファンドごとに異なる販売会社（証券会社や銀行など）	証券会社
取引可能時間	販売会社に定められた時間内	取引所の取引時間内
注文方法	販売会社を通じて基準価額をもとに購入価額を算出して購入	証券会社を通じて市場で指値、成行注文で取得
取引価格	基準価額（1日1回算出）	市場価格（リアルタイムで変動）
コスト	一般的にETFより高め	一般的に投資信託より安い

実は、ETFも投資信託もどちらも投資信託ですが、ETFについては投資信託の中でも上場投資信託のことを指します。

ETFの正式名称はExchange Traded Fund（上場投資信託）ですが、つまり、市場に上場しており、証券取引所を通じて取引されている投資信託がEFTになります。

投資信託では運用方法の違いからアクティブファンドとパッシブファンド（インデックスファンド）に分けられえます。

アクティブファンドとパッシブファンド（インデックスファンド）の詳しい違いについて知りたい方は下記の記事を御覧ください。

一方で、ETFはインデックスファンドと同じく、あらかじめ定められたベンチマークの指数（例えば、日経平均株価やS&P 500）と等しい運用成果をめざすことを目標とします。

また、投資信託とETF両方ともに様々な銘柄で構成されているので手軽に分散投資でき、リスクを抑えることができるという強みがあります。

一般的な投資信託は1日1回算出される基準価額でファンドごとに異なる販売会社で取引されます。

一方、ETFは上場しているため、株式と同じように、証券会社を通して取引所の取引時間内にリアルタイムで決まる市場価格で取引することができます。

長期投資家にとっては、これらの違いは大きな問題になりませんが、デイトレーディングなど短期トレードを目的としたトレーダーにとってはETFの方が優れているかもしれません。

また、ほとんどの場合、米国においては、ETFは投資信託に比べて最小購入価格が低く済みます。

ETFは米国市場の株式取引と同じく1単位から購入可能で、証券会社によっては小数点単位で購入可能なサービスを提供しています。

一方、投資信託では、販売会社によっては最小購入価格を設定していないところもありますが、一般的には数千ドルに設定しています。

なお、投資信託では自動積立投資ができることが一般的ですが、ETFにおいては基本的に市場価格を確認しながら自身で売買を行うため、自動積立投資ができない場合もあります。

さらに、投資信託では分配金が自動的に再投資されるように設定できますが、ETFの場合には、基本的に四半期ごとに分配金が支払われて自動で再投資する仕組みが存在しないことが多く、再投資する場合には手動で買付を行う必要性がでてくることもあります。

上述の違いなどから、ETFは一般的な投資信託（特にアクティブファンド）に比べて、各種手数料が安い傾向にあります。

しかし、昨今では一般的な投資信託のなかにも購入時手数料がかからないノーロードの投資信託や、信託報酬がETF並みに低水準のものも増えてきています。

従って、インデックスファンドとETFの手数料は同じく低く設定されているので、総合的な運用成果に直結する、各金融商品の経費率（Expense Ratio）をしっかりと比較することをおすすめします。

その他の相違点として、ETFでは単純に株式と同じように売却時にキャピタルゲインが発生し、税金を支払うことになりますが、投資信託の場合、通常の売却時に加え、他の投資家が投資信託を売却した場合でもキャピタルゲインが発生し、課税が発生することがあります。