日本ではいまだに現金の使用率が高いですが、アメリカでは多額の現金を持ち歩くことはほとんど無く、クレジットカードで決済することが比較的多いです。
クレジットカードを利用していると明細書などでクレジットスコアを見る機会があると思います。アメリカの金融システムにおいて、クレジットスコアは個人の信用力を測る上で非常に重要な指標です。クレジットスコアが高いと、ローンの金利が低くなったり、賃貸契約がしやすくなったり、場合によっては仕事の採用に有利になることもあります。もしクレジットスコアを改善したいと考えているなら、本記事内の10の方法を試してみましょう。
アメリカのクレジットスコアとは?
アメリカでは、個人のクレジット情報は主に以下の3大信用調査機関によって管理されています。
- Experian
- Equifax
- TransUnion
これらの機関が、クレジットカードの利用履歴、ローンの返済状況、支払いの遅延、借入額などを基に、クレジットスコアを算出します。
アメリカで一般的なスコアリングモデルはFICOスコア(300~850の範囲)で、数値が高いほど信用力が高いとみなされます。
FICOスコアの評価基準
スコア範囲 | 評価 | 信用リスク |
---|---|---|
800 – 850 | 優秀(Excellent) | 非常に低い |
740 – 799 | 良好(Very Good) | 低い |
670 – 739 | 普通(Good) | 平均的 |
580 – 669 | 悪い(Fair) | 高い |
300 – 579 | 非常に悪い(Poor) | 極めて高い |
一般的に、700以上のスコアがあれば「良好」とされ、低金利のローンやクレジットカードの審査に通りやすくなります。逆に、600以下のスコアではクレジットカードの発行が制限されるなど、金融面で不利になる可能性があります。
アメリカで一般的なスコアリングモデルはFICOスコア(300~850の範囲)で、数値が高いほど信用力が高いとみなされます。
FICOスコアの5つの要素
FICOスコアは以下の5つの要素から構成されています。
要素 | 割合 | 説明 |
---|---|---|
支払い履歴 | 35% | 期限通りに支払いをしているか |
クレジット利用率 | 30% | クレジットの使用限度額に対してどれくらい使っているか |
クレジット履歴の長さ | 15% | クレジットをどれだけ長く利用しているか |
新規クレジットの申し込み | 10% | 最近どれだけ新しいクレジットを申し込んだか |
クレジットの種類 | 10% | 異なる種類のクレジットを適切に利用しているか |
クレジットスコアを伸ばすための10の方法
期日どおりに請求書を支払う
クレジットスコアに最も影響を与える要素の一つが、支払いの履歴です。支払い履歴は、クレジットスコアの35%を占める最も重要な要素です。クレジットカードの請求書やローンの返済は、必ず期日内に済ませるようにしましょう。たった一度の支払い遅延でもスコアに大きなダメージを与える可能性があります。自動引き落としの設定やリマインダーを活用し、支払い遅れを防ぎましょう。
クレジット利用率を低く保つ
クレジット利用率とは、利用可能なクレジットのうちどれくらいを使用しているかを示す割合です。クレジットカードの利用限度額いっぱいに近い金額を使うことは、クレジットスコアに悪影響を与えます。一般的に、利用率は30%以下が望ましいですが、10%以下を維持するとより良いスコアにつながります。たとえば、クレジット限度額が$10,000なら、$1,000以下の利用が理想的です。可能であれば、利用率を上げないために、クレジットカードを使用したらできるだけ早く支払いを済ませましょう。
クレジット限度額を引き上げる
クレジットカード会社に限度額の引き上げを申請すると、利用率を下げることができます。ただし、限度額が増えたからといって無駄遣いしないように注意しましょう。
古いクレジットアカウントを閉じない
クレジットカードの利用期間も、クレジットスコアに影響を与えます。長期間利用しているクレジットカードは、信用履歴の長さを証明するものとして重要です。古いクレジットカードを解約すると、履歴の平均期間が短くなり、スコアが下がる可能性があります。使っていないカードでも、可能な限り保持しておくことをおすすめします。
クレジットの種類を増やす
複数のクレジットカードを持つことは、クレジットスコアの向上に繋がります。異なる種類のクレジットカードを持つことで、信用履歴の多様性を示すことができるからです。ただし、年会費や金利などを考慮し、自分に合ったカードを選ぶようにしましょう。クレジットカードだけでなく、自動車ローン、住宅ローン、個人ローンなど、異なる種類のクレジットを適切に管理していると、スコアの向上につながります。ただし、無理に新しいローンを組む必要はありません。
クレジットの信用調査を減らす
新しいクレジットカードやローンを申し込むと、信用調査が行われ、一時的にスコアが下がることがあります。新しいクレジットカードの申し込みは、本当に必要な場合に限るようにしましょう。住宅ローンや自動車ローンの申し込みは、30日以内にまとめることで、影響を最小限に抑えることができます。
クレジットレポートの誤りをチェックする
誤った情報がクレジットレポートに記載されていると、スコアに悪影響を及ぼします。AnnualCreditReport.comで定期的にレポートを確認し、間違いがあれば速やかに信用調査機関に訂正を依頼しましょう。
公共料金の支払いを活用する
一部の地域では、公共料金の支払いをクレジットスコアの向上に役立てることができます。電気、ガス、水道などの支払いをクレジットカードで行い、期日内に支払うことで、信用履歴を積み重ねることができます。
クレジットヒストリーがない場合は「Secured Credit Card」を利用する
クレジットヒストリーがない、またはスコアが低い場合は、Secured Credit Card (保証金付きクレジットカード)の利用を検討しましょう。Secured Credit Cardは保証金を預けることで利用でき、通常のクレジットカードよりも審査に通りやすく、適切に使うことで信用履歴を築き、通常のクレジットカードに切り替えることができます。
借金を計画的に返済する
借金を効果的に減らす方法として、以下の2つの戦略があります。
- スノーボール方式: 小額の借金から順番に返済し、達成感を得ながら負債を減らしていく方法。
- アバランチ方式: 金利の高い借金から優先的に返済し、支払う利息を最小限に抑える方法。
どちらの方法でも、借金を減らせばクレジットスコアの改善につながります。
まとめ
クレジットスコアを改善するには、時間と継続的な努力が必要です。しかし、これらの10のステップを実践すれば、確実にスコアを向上させることができます。クレジットスコアが高ければ、低金利の住宅ローンやクレジットカードの特典など、多くのメリットを享受できるでしょう。
今日からできることを始めて、クレジットスコアを向上させましょう!
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